科学的な組成と薬理作用(要約)
科学的な組成と薬理作用は、モノテルペン炭化水素類、セスキテルペン炭化水素、モノテルペンアルコール、セスキテルペンアルコール、ジテルペンアルコール類、フェノール類、フェノールエーテル、アルデヒド類、ケント類、エステル類、酸化物(オキサイド)類、ラクトン類に分類されます。
これまでに3000種類以上の芳香成分が発見されています。科学的な組成と薬理作用は、大きくグループ分けすると次の通りです。
1. モノテルペン炭化水素類
モノテルペン炭化水素はほとんどの精油に存在します。特に、柑橘系においては9割以上を締める主要成分です。
薬理作用:
- 弱い消毒・殺菌
- 鎮痛
- 抗炎症
- 鬱滞除去
- コーチゾン(ステロイド)様作用(※コーチゾン:副腎皮質ホルモンの一種でアレルギー反応がある。)
特徴:
- 光、熱、空気で変化しやすいため、遮光瓶に入れ、冷暗所保存が必要
用いる症状:
- 内分泌疾患、慢性および急性副腎機能不全、各種リウマチ、アレルギー性疾患、気管支炎、喘息などの治療
2. セスキテルペン炭化水素
薬理作用:
- 抗炎症
- 抗アレルギー
- 抗ヒスタミン
- 消炎剤
ヒスタミン:生体内に存在してタンパク質分解により出来る毒素で、皮膚、肺、消化器などに多く分布している。抗アレルギー作用を示す。
3. モノテルペンアルコール
薬理作用:
- 強い消毒・殺菌
- 抗菌
- 抗ウィルス
特徴:毒性がなく皮膚刺激の原因にならないため、安心して使用できるが、精油中のその他の成分も確認する必要がある。
4. セスキテルペンアルコール
薬理作用:
- 強い消毒・殺菌
特徴:
- 毒性がなく安全性の高い成分
注:エストロゲン作用があるため、妊娠初期には低濃度で使用を心がける。
5. ジテルペンアルコール類
薬理作用:
- 弱い消毒・殺菌
特徴
- 毒性がない成分
注:エストロゲン作用があるため妊娠初期は低濃度で使用する。
6. フェノール類
薬理作用:
- 最も強い消毒・殺菌
- 抗菌
特徴:
注:大量・長期使用で肝毒性、皮膚刺激性を示すため短期・低濃度での使用を心がける。
7. フェノールエーテル
薬理作用:
- 強い消毒・殺菌・抗ウィルス
- 抗痙攣
注:神経毒性および大量・長期使用で肝毒性、皮膚刺激性を示すため、短期・低濃度で使用を心がける。
8. アルデヒド類
強力な芳香を放ち、反応性に富む不安定な物質です。
薬理作用:
- 免疫刺激
- 強壮
- 抗炎症
- 解熱
- 抗痙攣
注:皮膚刺激が強く、アレルギー反応を起こすことがよくあるので、低濃度で使用を心がける。
9. ケント類
容易には変化しない安定した化合物です。
薬理作用:
- 粘液溶解
- 脂肪分解
- 去痰作用
- 瘢痕(はんこん)形成
注:神経毒性があるので、乳幼児、妊産婦への使用は、短期・低濃度で使用を心がける。
10. エステル類
弱いフルーティーな匂いを放ち、作用が穏やかで、毒性がない安全性の高い成分です。植物や果実が成熟しきった時にたくさん生成されます。
薬理作用:
- 抗炎症
- 抗痙攣
- 神経系の鎮静
- 強壮
11. 酸化物(オキサイド)類
並外れた強い反応性を保つため、高温下に置かれたり、空気や水に長いこと晒されると容易に分解されます。
薬理作用:
- 粘液溶解
- 去痰
- 抗カタル
注:特に乳幼児には、皮膚刺激が強いため、低濃度での使用を心がける。
12. ラクトン類
- 薬理作用:
- 粘液溶解
- 脂肪溶解
- 血液流動化
- 痙攣
注:日光過敏、皮膚刺激性、神経毒性があるので、多量に含んでいる精油は、注意が必要。特に乳幼児、妊産婦へは短期・低濃度での使用を心がける。
このほか、まだまだわかっていない効能効果もたくさんありますが、内容成分に十分注意を払い、適切な使い方を学べば、非常に広範囲の広いものであることがわかります。



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